#Silhouette Extra Tale 改訂版 第6章「消せない記憶」 !v27=1 !v36=1 !v38=1 !v5=1 !wait60 妹は、まるで母みたいな存在でした……。 生真面目な上に世話焼きで…… どんな事にも真剣だった、私の妹……。 少々お節介な面もありましたが…… とても純粋だった、私の妹……。 そんな妹は、私のことを 心から慕ってくれていました……。 遠い、遠い……昔の話です……。 ……。 !wait60 しかし……。 長い年月が過ぎ、再会した今…… \s私は、あの子にとって憎むべき存在に 変わっていました……。 ……当然ですよね。 昔の関係に戻ることなんて…… 今の私には、決して許されない……。 遠い、遠い……昔の"あの日"…… \sあの子を見殺しにした、私ですから……。 !wait100 \f[22]Silhouette Extra Tale 第6章 \s\f[40]消せない記憶 \s\m[46]\f[32]-Indelible- !se(System)キー3 !wait120 !mvシシトの部屋 !bgm夜の静けさ !wait40 @1 「すーすー」 @410 ……。 @830 ……。 @730 ……。 @100 ……\sもう、夜か。 @830 今まで起こった出来事を説明してる間に、 ずいぶん時間が経ってしまったな。 @410 ……そうですね。 @102 ちなみに、変身解除と着替えは トイレで済ませてきました。 @730 部屋のカメラは、私が魔法をかけて 動かないようにしておきました。 @833 いや、女神様までどこ向いて 話してるんですか……? そもそも、『雷光』なんて使ったら 動かなくなるどころか……。 @730 ……何か? @831 い、いえ、なんでもありません!! @730 よろしいです。 @412 ……? @100 まあ、とにかく……。 僕たちの知ってる情報は、 これで、一通り全部話しました。 @830 『転生』の禁呪については 北条の口から聞いたものですが、 おそらく、事実でしょう……。 @730 はい、ありがとうございます。 おかげさまで、事態の状況を 十分に\r[把握,はあく]することができました。 @410 ……なんだか、信じられないな。 まさか、犬山さんが…… 女神様の妹の生まれ変わり だったなんて……。 @100 だけど、間違いなく事実だよ。 冬村さんが今ここにいることが、 何よりの証拠だし……。 @410 ……そうなんだよね。 私が無事でいられるのは、犬山さんが 魔法で傷を治してくれたから……。 @102 まあ、実際に魔法を使ったのは リセットなんだけどね……。 !wait20 @830 ……それで、女神様。 彼女は、いつまで眠っているのですか? @730 魔力を加減している暇が無かったので 確かなことは言えませんが……。 リセットの力を加味しても…… おそらく、夜明けくらいまでは……。 @100 夜明け、か……。 !wait20 @410 ……。 !wait40 あの……女神様。 @730 はい、なんでしょう? @410 ……。 !wait20 女神様……姉妹なんですよね? なのに……なんで、妹さんと 戦わなくちゃいけないんですか? @731 えっ……。 @100 ……冬村さん? !wait30 @410 ……私も、姉妹なんです。 女神様と少し立場が違いますけど…… \s私も、4年前に姉さんを亡くしているんです。 @102 あっ……。 @410 ……。 姉さんと過ごした日々…… 今でも、よく覚えています……。 小さい時は、いつも一緒にいて…… \s二人で遊んだり、眠ったり……。 そんな姉さんが突然いなくなって、 私、とっても悲しかった……。 できる事なら、また会いたい…… \s一緒にいられるなら、そうしたい……。 今でも……そんな気持ちです……。 @730 ……。 @410 もちろん、全部いい思い出 ばかりじゃありません。 姉さんとはケンカもしましたし…… 怒られたり、泣かされたりもしました。 イヤな思い出や、辛い思い出も…… いっぱい記憶に残ってます……。 ……。 @412 ……でも。 一度や二度は、姉さんを恨んだり、 キライになったりもしたけど……。 本気でいなくなって欲しいとか…… \sそんな事、決して思ったりしなかった……。 兄弟とか、姉妹って…… そういう存在だと思うんです。 なのに……なんで、こんな事に なっちゃったんですか……? 私、考えられません……。 @833 お、おいおい……。 仮にも、相手は女神様なのだぞ? 意見するにしても、もう少し言葉を……。 @730 いいのですよ、クロウ。 彼女は、似た境遇の姉妹として 率直な意見を述べてくれただけです。 @830 女神様……。 @737 ……\sそうですね。 一人の姉として見た場合…… 私は、非難されて当然なのでしょう。 !wait30 @731 ……。 こんな事になってしまったのは、 全て、私の責任……。 あの時……私が、あまりにも \r[不甲斐,ふがい]なかったせいで……。 @410 あの時……? @100 そういえば、リセットも戦いの最中に ずっと言ってましたよね……。 あの時、あの時、って……。 @737 ……。 !wait40 @100 ……\s教えてもらえませんか? 二人の過去に、何があったのかを……。 @731 ……。 ここまで説明してもらいながら、 私だけ何も言わないのは 不公平ですよね……。 !wait60 @737 ……\s分かりました。 少々長くなりますが…… 私も、全てお話ししましょう……。 @100 ……。 @410 ……。 @830 ……。 !wait60 @730 ……私が、まだ幼い頃の話です。 その当時……私は、この世界と違う 別の世界で暮らしていました。 世界の名は……『\r[神界,しんかい]』。 魔法が当たり前のように存在し、 様々な種族が日々の生活を共にする、 とても平和な世界でした……。 @830 ……聞いたことがあります。 鳥や獣などといった種族が 共通の言葉を用いて理解し合う、 そんな世界があると……。 @412 まるでメルヘンの世界みたい……。 @102 (クロウやりス君みたいなのが  いっぱいいるのか……) @730 そんな神界には、不思議な力を持った ある一つの民族が住んでいました。 人の容姿に、獣の耳や尻尾などを持ち、 \s自然や他の種族と交わりながら、 共に成長していく民……。 やがて、彼らは世界そのものと交わって、 世界の創生や、秩序の保全などに 深く関わっていくのです。 @410 えっ、それって……。 @730 お察しの通りです。 彼らこそ……\s世界を守る宿命を持った、 神と呼ばれる奇跡の民でした……。 @412 世界を守る……奇跡の民……。 @100 それで、神界って言うのか……。 @830 では、女神様も……。 @730 ……はい。 私も、また……そんな宿命の もとに生まれてきた、神の民です。 物心がつく以前より、私は いずれ世界の神になるのだと 教えられて育ち……。 神として必要な知識や魔法を 学びながら、毎日を過ごしていました。 !wait60 @737 ……\sそう。 あの子と、ずっと一緒に……。 !mvnil @0 !mv !wait20 !bgm !wait80 !bgmタイトル画面 !wait40 @1 \c[2]「むにゃむにゃ……」 \c[4]「……姉さん?」 \c[2]「う〜ん……」 \c[4]「ちょっと! 姉さんっ!」 \c[2]「……んっ?」 \c[2]「ああ、リセット……どうしたの?」 \c[4]「どうしたの、じゃないよっ!」 \c[4]「さっきから何やってるの!?」 \c[2]「何って……勉強の真っ最中じゃない」 \c[4]「ウソつかないで!」 \c[4]「姉さん、さっき私が見た場所から  全然進んでないじゃん……」 \c[4]「思いっきり寝てたでしょ……」 \c[2]「だって、勉強してると眠くなるんだもん……」 \c[2]「この本、きっと『催眠』の効果が……」 \c[4]「あるワケ無いよっ!!」 \c[4]「もう……姉さんが勉強に集中したいって  言うから向こう行ってたのに……」 \c[4]「すぐ終わらせて、私と遊んでくれる  約束じゃなかったの……?」 \c[2]「あっ……そうだった……」 \c[2]「ごめん……」 \c[4]「謝ってくれるのは嬉しいけどさ……」 \c[4]「それなら、ちゃんと勉強やってよね……」 \c[2]「はいはい」 \c[4]「"ハイ"は一回っ!」 \c[2]「はーい……」 \c[4]「……もう」 \c[4]「姉さん……将来、神様になるんだよ?」 \c[4]「勉強もそうだけど……もっと、色んなとこ  しっかりしなくちゃダメじゃない……」 \c[2]「まあ、大丈夫でしょ」 \c[2]「どうせ何もしなくたって、いつかは  神様になれるんだろうし……」 \c[4]「大丈夫じゃないよっ!!」 \c[4]「それだと困るから、今のうちに  いっぱい勉強とかするんじゃない!」 \c[4]「神様がそんなんだったら、みんなに  迷惑かかっちゃうんだよ!?」 \c[2]「はぁ、めんどくさいなぁ……」 \c[2]「私なんかより……リセットが  神様になった方が絶対いいのに……」 \c[4]「えっ……」 \c[2]「だって、そうでしょ?」 \c[2]「リセット、真面目で頭もいいし……  お節介だけど、優しいとこもあるし……」 \c[2]「それに、リセットは他の誰にも負けない  すっごい力を持ってるじゃない?」 \c[2]「きっと、いい神様になれるわよ」 \c[4]「……」 !wait60 \c[4]「無理だよ……」 \c[4]「私、生まれた時から、みんなと違う……  普通じゃなかったんだもん……」 \c[4]「神様の力だってないのに、そんな……」 \c[2]「はいはい、無理とか決め付けない」 \c[2]「だから、一緒にやるのよ」 \c[4]「えっ?」 \c[2]「私が神様になった時は、リセットも一緒……」 \c[2]「二人で神様の仕事をするの」 \c[2]「そうすれば……リセットだって神様よ」 \c[4]「あっ……」 \c[4]「……」 \c[4]「ね……姉さん……」 \c[2]「……それに」 \c[2]「リセットが代わりに仕事してくれれば、  私も、楽できるだろうし……」 \c[4]「って……そういう事!?」 \c[4]「それじゃダメに決まってるでしょ!!」 \c[4]「ほらっ! 私が見ててあげるから、  ちゃんと勉強してっ!」 \c[2]「……へっ?」 \c[2]「あ、いやっ! 別にいいわよ、そんな……!」 \c[2]「もう目も覚めたし、寝たりしないって……」 \c[4]「……勉強はしないの?」 \c[2](ギクッ!) \c[4]「ねえさ〜ん?」 \c[2]「……」 !wait60 \c[2]「分かったわよ……」 \c[2]「やればいいんでしょ、やれば……」 \c[4]「よしっ!」 \c[4]「じゃあ、頑張って早く終わらせようねっ!」 \c[2]「……はぁ」 \c[2]「妹に見てもらいながら勉強するのって、  なんだか、情けない気分……」 \c[4]「姉さんがちゃんと勉強しないから  いけないんでしょ?」 \c[4]「イヤなら、もっと努力してよね」 \c[2]「う〜っ……」 !wait80 リセットは……\s普通の子と違っていました。 人間の子と変わらぬ姿で生まれ…… 本来、自然と備わっていく神としての力に 目覚めることのなかった彼女……。 さらに、その反動だったのか…… \sあの子は、生まれつき魔力が異常に 大きかったのです……。 その強大さは……私はもちろん、 父や、他の神々さえ軽く上回るほど……。 そんな彼女に、周囲からは絶えず 奇異の目が向けられて……。 あの子自身、自分の違いに思い悩み…… 何かと、弱気になりがちでした……。 ……\sですが。 !wait60 !se(Action)学内歩き \c[3]「んっ……二人とも、ここにいたのか」 \c[4]「あっ、父さん!」 \c[3]「おっと、勉強の邪魔だったかな?」 \c[4]「ううん、そんな事ないよ」 \c[4]「私、姉さんがちゃんと勉強やってるか  見てあげてただけだから……」 \c[2]「ちょ、リセット……!」 \c[3]「はっはっは、そうかそうか」 \c[3]「自分の分は、もう終わったのかい?」 \c[4]「うん、ばっちり!」 \c[3]「そうか……偉いぞ、リセット」 \c[2]「……ちぇっ」 \c[2]「父さん、すぐリセットばっかり……」 \c[2]「これじゃ、私、ダメな子みたいじゃん……」 \c[3]「そんな事ないさ」 \c[3]「二人とも、私にとっては大事な娘だ」 \c[3]「これからも、お互い助け合って頑張りなさい」 \c[4]「はいっ!」 \f[12]\c[2]「決まってるよ、そんなの……」 \c[4]「姉さん、ちゃんと返事しないとダメだよ」 \c[2]「わ……分かってるわよっ!」 !wait80 私たちの父親は……\s私たち姉妹を、 分け\r[隔,へだ]てなく育ててくれました。 同じ物を食べ、同じように遊び…… 同じ本を読んで、同じ魔法を学ぶ……。 特別扱いなど一切なく…… 全く同じ生活、同じ教育を受けて 育てられたのです……。 全ては……リセットの未来のため……。 おそらく……私が神になった後も、 二人で支え合って生きていけるようにと 考えてのことだったのでしょう……。 そんな父の気持ちは、幼かった私にも 十分に理解できていました……。 そして、何より……。 !wait60 \c[3]「しかし……なんとも、懐かしい光景だな」 \c[3]「昔は……母さんが今のリセットみたいに、  姉さんの勉強を見ていたんだよ」 \c[4]「へえ〜」 \c[2]「や、やめてよ……そんな昔の話……」 !se(Action)跳ね \c[4]「それじゃあ……私が、母さんの分まで  しっかり見てあげないとねっ!」 \c[2]「いーっ!?」 \c[3]「はっはっは、リセットもすっかり  その気になったようだな」 \c[2]「もうっ、父さんが変なこと言うから……!」 \c[3]「んっ、そうか?」 \c[3]「お前も、少し嬉しそうに見えたんだが……」 \c[2]「へっ……?」 \c[2]「あ、いや……私、別に……」 \c[4]「ほら、姉さん、続き続き」 \c[2]「あー、もうっ! 分かってるって!」 !wait80 私たちの母親は…… \sリセットを生んで間もなく亡くなりました。 温厚だった父とは対照的で…… とても厳しく、怠けることを許さない 厳格な人でしたが……。 その分、努力した部分はきっちりと認め、 最後には必ず笑顔で褒めてくれる、 優しい人でもありました……。 そんな母と過ごした記憶のある私にとって、 あまりにも大きすぎた、彼女の死……。 思えば……勉強に身が入らなくなったのも、 この頃からだったように思います……。 !wait30 しかし……月日は流れ……。 いつからか……\s今度は、リセットが 私を注意し始めるようになったのです。 母のことは何も知らないはずなのに…… その様子は、まるで実際の様子を見た上で 真似しているかのようでした……。 そんなあの子に……私は、亡き母の 面影を重ねていたのでしょう……。 決して口にしませんでしたが…… 心の底では、ずっと感謝してたのです。 あの子の存在に、私は救われていました……。 !wait60 いつか……私が神になって…… \sこの世界を離れる時が来たとしても……。 あの子を決して一人にはしない…… \sいつまでも、ずっと一緒にいてあげよう……。 誰に言われるでもなく…… 私は、自分にそう誓ったんです……。 それが……あの子にしてあげられる、 何よりの恩返しでしたから……。 !wait80 !bgm しかし……。 幼き日に立てた私の誓いは…… 突然、永久に守れなくなりました……。 私にとって一生忘れられない…… \sあの日の……あの出来事によって……。 !wait80 !se(Shooting)レーザー !wait25 !se(Action)爆発音 !wait20 !bgmサスペンス \c[2]「うわっ!?」 \c[4]「……っ!」 \c[2]「なっ、なんなの……この音!?」 !se(Action)跳ね \c[4]「た、大変っ! 外に父さんが……!」 \c[2]「あっ、リセット待って……!」 !wait20 !se(Action)ドア開け \c[5]「……んっ?」 \c[2]「なっ……!?」 \c[4]「……えっ?」 \c[5]「なんだ、この家はガキしかいねぇのか……」 \c[5]「つまんねぇな……」 \c[4]「と、父さんは……?」 \c[5]「知らねーよ」 !se(Action)ミス \c[5]「まっ、あの世でゆっくり\r[捜,さが]しな……」 \c[4]「あっ……」 \c[2]「リ、リセット……!」 !wait15 !se(Shooting)撃破A !se(Shooting)撃破C \c[5]「ぐわっ!?」 \c[2]「……っ!」 !se(Action)跳ね \c[3]「二人とも無事か!?」 \c[4]「と、父さんっ!」 \c[2]「父さん、これは……!」 \c[3]「……おそらく、\r[賊,ぞく]の一団だ」 \c[3]「何の目的かは分からんが……  奴ら、この一帯に住む者を皆殺しに  するつもりでいる……」 \c[4]「そ、そんな……」 \c[2]「なんで……こんな……」 !wait20 !se(Action)学内歩き \c[5]「ちっ、やりやがったな……!」 \c[2]「……っ!」 \c[4]「と、父さん、後ろっ!」 !se(Action)跳ね \c[5]「喰らいやがれーっ!!」 \c[3]「くっ……!」 !se(Action)バリア音 !se(Shooting)撃破C @0 !mv !wait80 @1 平和だった暮らしの中に…… 突然降り注いだ、争いの火……。 様々な種族が共存する世界だからこそ、 それをよく思わない種族が反乱を 引き起こしたのです……。 そして、争いに巻き込まれ……父は……。 !wait60 \c[4]「父さん……しっかりして!」 \c[4]「早く、ここから逃げないと……!」 \c[3]「……私は、もうダメだ」 \c[3]「お前たちだけで、早く逃げなさい……」 \c[4]「そんな事できないよっ!!」 \c[4]「姉さん、どうにかしてっ!!」 \c[2]「わ、分かってるけど……!」 \c[2]「こんなに傷が深くちゃ、回復に時間が……」 \c[3]「私に構うなっ!! 早く行けっ!!」 \c[2]「で、でも……!」 !se(Action)学内歩き \c[5]「おっと……逃がしゃしねぇぜ」 \c[5]「親子三人、仲良く眠らせてやるよ……」 \c[2]「あっ……」 !se(Action)跳ね \c[3]「させんっ……!」 !se(Action)バリア音 \c[5]「ちっ、魔力の尽きた死に損ないが……!」 \c[4]「と……父さんっ!!」 \c[3]「行けっ!! モタモタするなっ!!」 \c[4]「ヤ……ヤダッ!!」 \c[4]「父さんも、一緒に逃げてっ!!」 \c[2]「……っ!」 !se(Action)跳ね \c[4]「えっ……?」 \c[2]「……行きましょう、リセット」 \c[4]「ね、姉さん……何言ってるの!?」 \c[4]「このままじゃ父さんが……!」 \c[2]「父さんの気持ちを無駄にする  ワケにいかないでしょ!!」 \c[2]「私だって辛いわよ……\sでも、分かって……!」 \c[4]「……」 \c[4]「姉さん……」 !wait30 !se(Action)雷光 !se(Shooting)撃破A \c[3]「ぐっ……!」 \c[4]「あっ……!」 \c[2]「……っ!」 \c[5]「これでトドメだっ!!」 \c[2]「み……見ちゃダメッ!!」 !wait20 !se(Shooting)撃破B \f[32]\c[3]「ぐわああぁぁぁぁー!!」 \c[4]「父さぁぁーん!!」 !se(Action)跳ね \c[2]「ち、ちょっと、リセット!?」 \c[4]「父さんっ!! 父さんっ!!」 \c[3]「……」 \c[5]「くっくっく、無様なもんだ……」 \c[5]「必死で逃がそうとしたのに、逃がす方が  戻って来ちまったら意味ねぇよな……」 \c[5]「父親想いのいい娘じゃねぇか、おい……」 \c[2]「くっ……!」 \c[4]「と……とう、さん……」 \c[5]「そう寂しがんじゃねぇよ……」 \c[5]「すぐ、同じ場所に送ってやるぜ……」 !se(Action)跳ね \c[2]「い……妹に手を出さないでっ!!」 \c[5]「んっ、やる気か?」 \c[5]「女子供だからって\r[容赦,ようしゃ]はしねぇぞ……」 \c[4]「……」 !wait60 !bgm !se(Action)バリア音 \c[5]「……っ!?」 \c[2]「えっ……?」 \c[5]「な、なんだ……この魔力!?」 \c[5]「こんな……\sこんなの聞いてねぇぞ!?」 \c[4]「……」 \c[2]「……リセット?」 \c[5]「テ、テメェ……!」 \c[5]「一体、こいつは……!」 \c[4]「……」 \c[4]「とう……さん……」 \c[5]「……あん?」 \c[4]「父さんが……父さんが……」 \c[5]「ちっ、このガキ……\s脅かすんじゃねぇ!!」 !se(Action)ミス \c[2]「や、やめっ……!」 !wait12 !se(Action)雷光 \c[5]「うおっ!?」 \c[2]「なっ……!」 \c[4]「……」 !wait60 !se(Action)雷光 !wait4 !se \c[4]「うっ……」 !se(Action)雷光 !wait4 !se !se(Action)雷光 !wait4 !se \c[4]「うっ……\sうあっ……」 !se(Action)雷光 !wait4 !se !se(Action)雷光 !wait4 !se !se(Action)雷光 !wait4 !se \c[4]「あっ……\sああぁ……」 !se(Action)雷光 !wait4 !se !se(Action)雷光 !wait4 !se !wait10 !se(Action)雷光 !wait3 !se !se(Action)雷光 !wait3 !se !se(Action)雷光 !wait3 !se !wait60 @0 \c[4]\f[40]「うわぁああぁぁぁーっ!!」 !se(Action)爆発音 !se(Action)ジュゴー !wait10 !bgm緊迫状況 @1 \c[5]「なっ……!?」 \c[2]「リ、リセット!?」 !se(Action)跳ね \c[5]「ヤ……ヤバいっ!!」 \c[5]「おいっ、みんな早く逃げ……!」 \f[32]\c[4]「ああぁあぁぁぁーっ!!」 !se(Action)雷光 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)雷光 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)雷光 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)雷光 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Shooting)撃破C !se(Action)雷光 !se(Action)ジュゴー \f[32]\c[5]「ぎゃああぁぁぁーっ!!」 \c[2]「きゃあっ!?」 !wait20 !se(Action)学内歩き !wait6 !se !se(Action)学内歩き !wait6 !se !se(Action)学内歩き !wait6 !se !se(Action)学内歩き !wait6 !se !se(Action)学内歩き !wait6 !se \c[5]「どうしたっ!?」  \c[5]「何の騒ぎだっ!?」 \f[32]\c[4]「いやぁああぁぁぁーっ!!」 !se(Action)雷光 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)雷光 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)雷光 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Action)雷光 !se(Action)ジュゴー !wait3 !se(Shooting)撃破C !se(Action)雷光 !se(Action)ジュゴー \f[32]\c[5]「うわぁああぁぁぁーっ!!」  \c[5]「ぬおぉおおぉぉぉーっ!!」 \f[32]\c[4]「父さぁぁーんっ!!」 \c[2]「……」 \c[2]「な、なんなの……これ……」 !wait80 周囲に広がる、強烈な赤い閃光……。 突然、リセットが内に秘めた魔力を 解放してしまったのです……。 その魔力は、あまりにも強大で…… 近くにいた賊は、光に飲まれて消滅……。 残りの者も危険を察して逃げたようで…… 気付けば、周りには誰もいなくなっていました。 ……\sですが。 !wait60 !se(Action)雷光 !se(Action)銃声 !wait8 !se(Action)雷光 !se(Action)銃声 !wait20 !se(Action)雷光 !se(Action)銃声 !wait8 !se(Action)雷光 !se(Action)銃声 \c[4]「あっ……あぁ……」 \c[2]「リセット!!」 \c[4]「ね……姉さん……」 \c[4]「私……わた、し……」 \c[2]「もういいのっ!!」 \c[2]「悪い人、みんないなくなったから……!」 \c[2]「とにかく、落ち着いて……  \s早く自分の魔力を沈めなさいっ!!」 \c[4]「……」 !wait40 !se(Action)雷光 !se(Action)銃声 !wait8 !se(Action)雷光 !se(Action)銃声 \c[4]「できない……」 \c[2]「……っ!?」 \c[4]「止まらないの……」 \c[4]「どんどん……どんどん、\r[溢,あふ]れちゃう……」 \c[4]「止め方……全然、分かんないよ……」 \c[2]「そ……そんなっ!?」 \c[2]「これじゃ、どうしようも……!」 !wait30 !se(Action)雷光 !se(Action)銃声 \c[4]「助けて……」 \c[2]「えっ……?」 \c[4]「助けてよ……姉さん……」 \c[4]「私、怖い……\s怖いよっ!」 \c[4]「ねえっ! 姉さん、助けてっ!!」 !se(Action)雷光 !se(Action)銃声 !wait5 !se(Action)雷光 !se(Action)銃声 !wait12 !se(Action)雷光 !se(Shooting)撃破A !se(Shooting)カノン \c[2]「うわっ!?」 !se(Action)ドゴン \c[4]「あっ……!」 \c[2]「うっ……くっ……!」 \c[4]「ね……姉さんっ!?」 \c[2]「ダ、ダメ……近寄れない……」 \c[2]「こんな強い魔力……私なんかじゃ……」 \c[4]「……」 !wait40 !se(Action)雷光 !se(Action)銃声 !wait8 !se(Action)雷光 !se(Action)銃声 \c[4]「ヤダ……\sヤダよ、そんなのっ!!」 \c[4]「姉さん、お願いだから助けてーっ!!」 !se(Action)雷光 !se(Action)銃声 !wait3 !se(Action)雷光 !se(Action)銃声 !wait3 !se(Action)雷光 !se(Action)銃声 !wait10 !se(Action)雷光 !se(Shooting)撃破A !se(Shooting)撃破C !se(Shooting)カノン \c[2]「きゃああああーっ!!」 \c[4]「姉さぁぁーんっ!!」 !se(Action)ドゴン !wait4 !se(Action)ドゴン !wait15 !se(Action)ズシャアアー !wait20 \c[2]「ぐうっ……!」 \f[16]\c[4]「うわああぁぁーんっ!!」 \c[2]「リ……リセット……」 \c[2]「……\sああ、もうっ!」 \c[2]「どうすれば……\sどうすればいいのよ!?」 !wait60 !bgm !se(Action)ビシッ @0 @1 \c[2]「えっ……」 !wait40 !bgm別れ \c[3]「はあっ……\sはあっ……\sはあっ……」 \c[2]「とっ……父さん!?」 \c[3]「ぶ、無事か……リクレール……」 \c[2]「……よかった」 \c[2]「父さん……まだ、生きてたんだ……」 \c[2]「……\sって」 !se(Action)跳ね \c[2]「違うっ! それどころじゃなかった!」 \c[2]「リセットが大変なのっ!」 \c[2]「早く、なんとかしてあげないと……!」 \c[3]「……」 !wait40 \c[3]「もう……手遅れだ……」 \c[2]「……っ!」 \c[3]「あの力は、私たちの手に負えない……」 \c[3]「お前だけでも……逃げるんだ……」 \c[2]「……でっ」 !se(Action)跳ね \c[2]「できるワケないよ、そんなの!」 \c[2]「私、リセットを放っておけない……!」 \c[2]「あの子は私の妹だもんっ!!」 \c[3]「リクレール……」 \c[2]「待ってて! 私、もう一回行ってくる!」 \c[2]「父さんが生きてるって分かれば、  あの子も、きっと……!」 \c[3]「ま、待ちなさ……\sがはっ!?」 !se(Action)ドゴン \c[2]「あっ……!」 \c[3]「げ、げほっ……ごほっ……!!」 \c[2]「父さん、無茶しないで……!」 \c[2]「リセットを落ち着かせたら、すぐに  回復してあげるから……!」 \c[3]「はあっ……はあっ……」 \c[3]「お、お前は……\sはあっ……」 \c[3]「お前は……いずれ、神になるんだ……」 \c[3]「こんな所で……死んではいけない……」 \c[3]「生きて……立派な神になってくれ……」 \c[3]「義務や使命なんて関係ない……  \s全ては……母さんの願いなんだ……!」 \c[2]「父さん……」 \c[2]「……」 \c[2]「でも……私、やっぱり……」 \c[3]「……リクレール」 \c[2]「……?」 \c[3]「こっちへ……来なさい……」 \c[2]「えっ?」 \c[3]「時間がない、早くっ!」 !se(Action)跳ね \c[2]「は、はいっ!」 !se(Action)学内歩き !wait10 !se !se(Action)学内歩き !wait10 !se !se(Action)学内歩き !wait10 !se !se(Action)学内歩き !wait10 !se !wait40 \c[3]「……よし、いい子だ」 \c[3]「間近で見ると、母さんそっくりだな……」 \c[2]「……父さん?」 \c[3]「……」 !wait60 !bgm \c[3]「てっ……\s『転移』ッ!」 !se(Action)シュビー \c[2]「……っ!?」 \c[2]「と、父さん、待っ……!」 !se(Action)シュイーン @0 !mv !wait30 @1 \c[3]「……」 !wait40 \c[3]「これが……\r[正真正銘,しょうしんしょうめい]、最後の魔力だな……」 \c[3]「……\sすまない」 \c[3]\f[20]「分かってくれ……\s\f[16]リク……\s\f[12]レ……」 !wait60 !se(Action)ドゴン @0 !mv\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx !wait80 !se(Action)雷光 !wait4 !se !se(Action)雷光 !wait4 !se !wait12 !se(Action)雷光 !wait4 !se !se(Action)雷光 !wait4 !se !se(Action)雷光 !wait4 !se !wait20 @1 \c[4]「……」 !wait40 \c[4]「ねえ……\sさん……」 \f[20]\c[4]「たすけてよ……\sね\n[2]え\n[2]さ\n[2]ん\n[2]…\n[2]…」 \f[16]\c[4]「た\n[2]す\n[2]…\n[2]…\n[2]け\n[2]\n[2]…\n[2]\n[2]…\n[2]\n[2]て\n[2]\n[2]…\n[2]\n[2]…」 !wait60 @0 !mv !se(Action)雷光 !se(Action)ジュゴー !se(Action)爆発音 !se(Action)跳ね !se(Shooting)撃破C !wait3 !se(Shooting)撃破B !se(Action)爆発音 !se(Shooting)撃破C !wait3 !se(Shooting)撃破B !se(Action)爆発音 !se(Shooting)撃破C !wait3 !se(Shooting)撃破B !se(Action)爆発音 !se(Shooting)撃破C !wait3 !se(Action)爆発音 !wait140 @1 こうして……父の魔法によって、 一人、難を逃れた私……。 行き着いた先は……母の墓前でした。 すると、それに気付いた直後…… \s突然、どこからともなく大きな爆発音が 聞こえてきて……。 振り返ると、一つ山を越えた先…… \s私たち家族が暮らしている場所の空が、 真っ赤に染まっていたのです……。 私は、イヤな予感を必死に振り払いながら、 急いでその場所へと戻りました……。 ですが……そこには、もう……。 !wait80 !se(Action)学内歩き !wait45 !se(Action)学内歩き !wait70 \c[2]「……」 !wait40 \c[2]「何、これ……」 \c[2]「なんで……何も無くなってるの?」 \c[2]「父さん……リセット……?」 \c[2]「ねえ……どこ行ったの?」 \c[2]「家は……\s木は……\sみんなは……?」 \c[2]「ねえ……どうなってるのよ……」 !wait60 \c[2]「あっ、そっか……」 \c[2]「これ……\s夢なのね?」 \c[2]「私、いつも寝てばっかりだし……  たまたま、変な夢見ちゃったんだ……」 \c[2]「こんな時に限って起こさないなんて……  リセット、意地悪くなったわね……」 \c[2]「そうだと分かれば、こんな夢……」 !wait60 !se(Action)殴打 \c[2]「いっ……!」 \c[2]「……」 !wait40 !se(Action)殴打 !wait30 !se(Action)殴打 !wait10 !se(Action)殴打 !wait40 \c[2]「……」 \c[2]「冗談……やめてよ……」 !wait20 !se(Action)跳ね \c[2]「これ、夢なんでしょ!? \s夢って言ってよ!!」 \c[2]「私……もう決めたんだよ!?  \sリセットと、ずっと一緒にいるって……!」 \c[2]「なのに、こんな……\sこんなーっ!!」 !wait80 のちに分かったことですが……。 精神的に未熟な者が、何かの原因で 大きなショックを受けた場合……。 本人の意思と関係なく魔力が溢れ、 完全に制御を失い暴走してしまうことが あるんだそうです……。 リセットの身に起こったのは…… \sまさに、この『魔力の暴走』でした……。 そうして、溢れ続けた魔力が やがて限界に達し……。 最後には……あの子もろとも……。 !wait80 @0 !mvシシトの部屋 !bgm夜の静けさ !wait20 @100 ……。 @410 ……。 @833 ……。 @737 本来……『魔力の暴走』は そう危険なものでもありません。 精神的に不安定な幼少期は 魔力自体が小さく、暴走を起こしても すぐ\r[枯渇,こかつ]するのが普通です。 ですが、あの子の持つ魔力は あまりにも大きすぎて……。 @100 それで、魔力が爆発を……。 @833 ……なんという事だ。 我の知らない女神様の過去に、 そんな出来事が……。 @730 そして、やがて月日は流れ……。 残された私は、父の言葉に従い こうして神となりました……。 後は、クロウも知ってる通りです。 !wait20 @100 ……\sそれにしても。 真面目で、頭も良くて…… なんだかんだで優しい子か……。 ……。 @102 まるで、セトみたいだ……。 @830 それも『転生』の禁呪による 影響なのだろう……。 外見は全く同じだったのだし…… 個性などがセトに反映されていても 不思議ではないはずだ。 @102 あの性格のルーツがこんな所に あったなんてねぇ……。 !wait40 @1 「同じだ……」 @100 えっ……? !wait20 @410 ……。 ずっと楽しい生活を送ってたのに……。 ほんの一瞬で、大事な家族を みんな失くしちゃった……。 全く同じだよ……私と……。 @100 あっ……。 @830 そうだったのか……。 @410 私、ずっと気になってたんです。 記憶を無くした犬山さん…… なんだか、昔の私みたいだって……。 !wait20 @412 ……\sもしかしたら。 犬山さんの中に、リセットさんの記憶が 少しだけ見えていたのかな……? @100 ……言われてみれば。 今のセト、普段より少し子供っぽい 部分があった気もするし……。 二人とも同時に記憶を失って、 互いの意識が混ざりあった状態に あったのかもね……。 @830 それが、北条の使った魔法で セトの父親が消されたことによって、 リセットの記憶が先に目覚めてしまった。 目の前で父親が殺されたと思い込んだ、 自分の過去と、同じ光景を見て……。 @100 触れてはいけない過去か……。 それを無理やり思い出させられて…… 怒ったリセットは、北条を消し去ったんだ。 @830 ああ、これで全て繋がったな。 ……。 @833 しかし……よく覚えていたものだ。 本来、意識の海に還った魂は、 長い年月の間に自身の意思や記憶を 全て失ってしまうのに……。 @730 リセット自身の力と、魔力の暴走という 異例の事態が災いしたのでしょう。 強大な力に縛られたあの子の魂は、 意識の海へ還った後も、明確な意思を 保ったまま存在していたのだと思われます。 !wait40 @731 ……。 優しかったはずのあの子が…… こんなにも変わってしまうなんて……。 それだけ長い間、あの子は意識の海で ずっと泣いていたのでしょうね……。 助けられずに逃げ延びた私を…… ひたすら憎み続けながら……。 @412 で、でも……やっぱり変ですよ。 女神様が悪いワケじゃないのに、 こんなのって……。 @737 ……確かに、そうかもしれません。 しかし……私は、結果的に 自分の立てた誓いを守ることが できなかった……。 どうにもならない事だったとしても、 もはや……言い訳にしかなりません。 私は……あまりにも無力でした……。 @100 女神様……。 @412 ……。 @830 ……。 !wait40 しかし……これからどうするのです? このまま彼女が目覚めてしまったら、 おそらく、また……。 @731 ……そうですね。 昔の記憶と魔力を取り戻したリセットは、 必ず、私を消そうとするはずです。 今の私では、どんな方法を持ってしても あの子を止めることはできません。 もう、話も聞いてくれないでしょう……。 @412 そんな……。 @737 事態は非常に深刻です……。 ですから……\s何か手を打つなら、 今、この時しかありません。 @100 手を打つ? @730 今は、先の戦いで消耗した 魔力を回復する必要があります。 しかし……遅くとも夜明けまでには、 なんとか間に合うでしょう……。 ……。 @737 ……いえ。 必ず……間に合わせます。 この世界を守る、神として……。 @830 何か……策があるのですか? @737 ……。 !wait60 !bgm @731 ……。 『送還』の魔法を使用して…… \sリセットを、意識の海に送り返すんです。 @833 なっ……! @100 『送還』の魔法? @730 本来は……現世に留まり続ける 死者の魂に対して使用する魔法です。 これを使うと、魂が持つ情報は全て 完全に断ち切られ、強制的に 意識の海へ送られます。 全ての意識と記憶さえ無くなれば…… あの子も、今度こそ安らかに 眠ってくれるはず……。 @412 で、でも……待ってください! そんな事したら、犬山さんは……。 @730 ……\sはい。 魂から切り離された記憶は…… \s\r[何処,どこ]とも知れず、消えてなくなります。 !wait30 @737 ……\s残念ですが。 セトさんという人物も、また…… \sリセットの、記憶の一部ですから……。 !wait20 !bgmサスペンス @103 なっ……! !se(Action)ドゴン @0 @410 ……そんな。 犬山さんが……\s消える……。 @731 ……お気持ちは分かります。 ですが……もう、私にできる手段は これしか残されていません……。 ここでリセットを止めなければ…… 私だけでなく、関係の無い人々にまで 被害が及んでしまう……。 全ては……世界を守るためなんです。 @833 し、しかし……。 いくら切羽詰った状況とはいえ、 急に言っては、二人も……。 @730 ……心配しないでください。 無事に全てが終わりましたら…… \sみなさんの記憶から、彼女に関する 記憶だけを全て消去します。 @410 えっ……? @100 き、記憶を……。 @831 な、何を言ってるんですか!? 個人に関する記憶を全て消すなんて、 どれほど大変なことだと……! @737 それも承知の上です。 私がリセットを救うことができず、 さらに禁呪使いの悪事を見逃したため、 彼女という存在が生まれた……。 本来、ありもしない存在で、 みなさんを苦しめた原因は全て 私にあるんですから……。 @100 ……っ! @730 今回の騒動は、私の責任…… みなさんには何の罪もありません。 ですから、これ以上みなさんに 辛い思いをさせるワケにはいかない……。 記憶の消去は大変ですが…… 必ず、責任を持ってやり遂げます……。 !wait40 @737 ……\sそう。 全ては、リセットの姉として…… \sこの世界の神としての義務なんです。 背負うべきは、私一人で十分……。 これで、みなさんが彼女のために 思い悩むことは、決して……。 !se(Action)跳ね @413 ま、待ってくださいっ! 犬山さんは、そんな……! !wait30 @0 !bgm !mvnil !se(Action)ビシッ !mvシシトの部屋 !wait10 @730 ……っ! @410 ……えっ。 @833 なっ……! !wait40 !bgm黄昏 @100 ……。 @731 シ、シシトさん……? !wait10 @100 ……\sなんですか、それ。 まるで……セトが自分の不手際で 生まれた邪魔者みたいに……。 神だから責任を取るって…… 結局、自分の都合じゃないですか。 北条のやっていた事と…… \s何も違わないじゃないですか……。 !se(Action)跳ね @831 お……落ち着け、シシトッ!! 女神様は、お前たちのことを 十分に考えてだな……! !se(Action)跳ね @103 \f[30]どこが考えてるって言うのさ!? セトは、僕たちの大切な友達なんだっ!! 単なる記憶の一部でもなきゃ…… \s誰かを苦しめるような存在でもない!! これだけ散々言われといて…… \s\f[30]黙っていられるワケないだろっ!! @833 そ、それは……。 @737 ……。 @412 で、でも……シシト君。 だからって、女神様を掴んだりしちゃ……。 @100 ……あっ。 !wait30 !se(Action)ミス @0 @102 ご、ごめん、みんな……。 つい、カッとなっちゃって……。 @830 シシト……。 !wait20 @100 ……分かってはいるんだ。 女神様、実の妹を目の前にして…… それでも、神の責任を果たそうとしてる。 とっても苦しいはずなのに…… \sそれでも、僕たちの気持ちを考えて こんなに手間をかけてくれてる。 ありがたい事、この上ないよね……。 @410 シシト君……。 @100 ……。 !wait40 でも……この方法は受け入れられない。 他に解決策があるワケでもないし、 単なるワガママなんだけど……。 それでも、やっぱりイヤなんだ……。 @731 ……。 それだけ、彼女が大事なんですね……。 !wait20 @100 ……\s女神様。 方法……ホントに、もう無いんですか? 女神様なら、何か他にも 知ってるんじゃないんですか? @730 ……。 @100 ……掴みかかったことは謝ります。 ワガママばかり言って、ホントに 申し訳ないとも思ってます。 でも……どうか、もう少しだけ 考えてみてください……。 セトは……まだ、ここにいるんです。 でも、僕たちだけじゃ…… どうする事もできないんです。 女神様の力……貸してください。 お願い……します……。 !wait60 @1 これが、ホントの神頼み……。 なんとかしたい、その一心で…… \s僕は、女神様に深々と頭を下げた……。 @830 ……。 @412 ……。 @731 ……。 そう……ですか……。 !wait60 @737 ……\s不思議な縁ですね。 家族や親族というワケでもないのに……。 まさか、彼女の前に現れた『共鳴者』が、 あなたのような人だったなんて……。 @100 ……えっ? !wait60 !bgm !wait20 @730 ……。 !wait60 一つだけ……。 セトさんを救えるかもしれない方法…… \sたった一つだけ、知ってます……。 !wait30 !bgm(シューティング)準備画面 @103 ……っ! @412 ほっ……ホントですか!? @730 ……先程も言いましたが。 今のリセットは、生前の記憶と魔力を 全て取り戻した状態にあります。 しかし、それはあくまで意識の中…… \s意識体という状態における話なのです。 @833 ど……どういう事ですか? @730 生き物の意識とは、自分の体を 動かすことによって初めて 意味が生まれます。 ところがリセットの場合…… \sその体を、セトさんの意識と二人で 共有している……。 どちらかが他方の意志を拒めば…… それだけで、思い通りに行動することが できなくなるはずです。 @100 ……\sまさか。 じゃあ……あの時、リセットが急に 魔法を撃てなくなったのも……。 @730 ……はい。 おそらく、二人を助けようとした セトさんの意志が働いたのでしょう……。 リセットに主導権を握られても…… 彼女の意識は、まだ存在するのです。 @830 そういう事だったのか……。 @100 ……。 @412 犬山さん……。 @737 ……しかし、安心はできません。 こうしている間にも……意識の中では、 リセットがセトさんを抑え込もうと 行動しているはずです。 再び目覚めた時……自分の力を、 思う存分発揮できるように……。 @103 なっ……! @410 ……っ! !se(Action)跳ね @413 た……大変じゃないですかっ! このままだと、犬山さんが……! @730 ……ただし、それはリセットにも 同じことが言えるんです。 @410 えっ……? !wait20 @100 ……\sそうか。 リセットだって、自分の意識を 封じられたら何もできなくなるんだ。 だから、禁呪で封印されてる間は 何事も起きなかったんだし……。 @730 その通りです。 つまり、ここで再びリセットの意識を 抑え込むことさえできれば……。 @412 犬山さんは……助かる……。 @833 し、しかし……どうするのですか? 女神様の言う通りなら…… セトの意識が抑え込まれるのも、 時間の問題じゃ……。 @730 確かに、セトさん一人では どうする事もできない状況です。 まずは……第三者が意識に介入し、 彼女を救い出さなければ……。 @100 意識に介入する? @730 私には神の力の一つとして…… 他者の意識に語りかける特別な力が 備わっています。 この力を応用することで…… \s意識の中に、第三者の意識を直接 送り込むこともできるんです。 @410 つまり……誰かが意識の中に入って、 犬山さんを助けてあげればいいんですね? @730 そういう事です。 ただし、それが可能なのは…… \sシシトさん、あなた一人しかいません。 @412 えっ……? @102 ぼ……僕だけ? @737 私自身、意識に呼びかけることはできても、 直接的な干渉は一切できません……。 他者の意識に介入できるのは、 対象者の魔力と波長が合った人物……。 @830 それで、『共鳴者』ですか……。 @410 共鳴者? @730 全ての生き物は、多かれ少なかれ 身の内に魔力を宿しています。 大きさも、特性もバラバラ…… \s目に見えない、指紋のような物と 言えばいいでしょうか。 @412 私にも魔力あるんだ……。 @830 シシトの場合、その魔力が 一般人に比べて大きかったから スカウトされたのだ。 @102 (まあ、アクアフロート中のパンツを  消しちゃったくらいだもんな……) @730 そんな、人によって全く異なる 魔力なのですが……。 特定の波長を持つ『共鳴者』同士が 近くにいた場合……お互いの魔力を高め、 良い効果をもたらすことがあります。 俗に言う、魔力のシンクロ…… \s魔力の共鳴です……。 @100 魔力のシンクロ……。 僕とセトの間に、そんな力が……。 @730 頻繁に魔力を使う人でもない限り 気づくこともないでしょうが……。 実際にお会いして、お二人の魔力が シンクロしているとハッキリ分かりました。 @102 クロウは全く気付かなかったのに……。 @833 言うな、我だって魔法は苦手なんだ……。 @730 しかし……シンクロの効果は 魔法に限ったことでもありません。 魔力の高まりは、身体能力の向上など 様々な面に良い影響を及ぼします。 シシトさん自身、そういった体験を どこかでしてるのでは……? @102 ……? !wait60 @100 ……あっ。 もしかして、中学の時に 足がどんどん速くなってたの……。 あれ、シンクロの効果だったのかも……。 @830 (……なるほどな) (朝のダッシュがいつもより速いと  家族の者も言ってたが……) (それも、セトが近くで様子を  見ていたから、か……) @730 一方、セトさんですが……。 彼女の場合、シンクロの効果で 自身の魔力が高まり、リセット覚醒の 抑止に繋がったのでしょう。 @410 じゃあ……もし、二人が会ってなかったり、 魔力がシンクロしてなかったら……。 @830 もっと早い時期にリセットが目覚め、 取り返しのつかない事態に 陥っていたかもな……。 @730 その通りです。 本来、『共鳴者』同士が出会う確率は 一生に一度あるかないか……。 それが、こんなタイミングで…… \s奇跡としか言いようがありません……。 @100 ……。 !wait20 @410 ……\sでも、どうしてなんです? 助けられる方法はあったのに…… なんで、今まで黙って……。 @731 教えるワケには行かなかったんですよ。 とても危険な方法ですから……。 @412 き、危険……? @730 確かに、シンクロが発生する者同士なら 意識を送り込むことは可能です。 しかし、私の力で介入できるのは、 せいぜい意識の表層まで……。 意識の本体が存在する深層へは、 自力で辿り着くかなくてはなりません。 問題は……その道のりです。 @100 というと? @731 人の意識……意識の世界というのは、 本人ですら把握しきれぬモノ……。 『意識の海』という名の由来になるほど、 とても広大で、不確かな世界です。 一歩間違えば……元の世界に戻れず、 永久に\r[彷徨,さまよ]い歩く可能性だって……。 @833 なっ、なんですと!? @730 それに、もし無事に辿り着けても…… 深層には、リセットが待ち受けています。 あの子に見つかれば、邪魔者として 容赦なく攻撃されるでしょう。 それにより意識体が消滅でもしたら、 もう、肉体に戻ることもなく……。 @412 ……死んじゃうってこと? @737 しかも、逃げているだけでは 何も変わりません……。 深層まで辿り着き、セトさんを助け、 リセットを再び封じ込める……。 それら全てが達成されなければ、 全く意味がないのです……。 !wait40 @731 ……\sですが。 どうすれば上手くいくのか…… \sそれは、私にも全く分かりません。 もしかしたら、そんな方法なんて 存在しないかもしれない……。 この行為自体……全て無駄に 終わってしまう可能性もあるのです。 あまりにも危険で、薄い望みです……。 ですから、今まで黙っていました……。 @100 ……。 !wait60 だけど……。 それ以外に……セトを助けられる 方法は無いんですよね? だったら……行きます。 @410 ……っ! @830 シシト……。 @730 ……。 !wait20 こちらで危険な状態だと判断したら、 すぐに『送還』を使用します……。 その際、シシトさんが意識の中にいれば、 一緒に消滅してしまうでしょう……。 @102 まあ……そんな事だろうとは 思ってましたけどね……。 !wait40 @100 ……もちろん、覚悟の上です。 女神様は、いざという時のために 準備をしておいてください。 後は……僕がなんとかします。 @730 ……。 意識の移動を行うには…… 少々、準備の時間が必要です。 ほんの数分でしょうが……どうか、 もう一度、考えてみてください。 シシトさんがどんな決断をしても…… \s私は、それに従います……。 @100 ……でも、いいんですか? これが全部上手くいったら…… たぶん、リセットは……。 @730 ……\sはい。 私の覚悟でしたら、『送還』を使うと 決めた時に、もうできています。 今は、シシトさん自身の気持ちに 専念してください……。 @100 ……ありがとうございます。 @410 ……。 !wait40 あのさ……シシト君。 @100 んっ、何? @410 ……\sちょっと、話したいんだけど。 いいかな? @100 ……別にいいけど? @410 じゃあ、一度下に行かない? @102 えっ、ここじゃダメなの? @412 あっ、うん……。 できれば、二人だけで話したいから……。 @102 ……? !wait20 @100 ……。 とにかく……下に行けばいいんだね? 女神様、ちょっと失礼しても 大丈夫ですか? @730 はい、分かりました。 私は準備を進めておきます。 @100 よろしくお願いします。 じゃあ……行こうか。 @410 ……うん。 !wait20 !se(Action)学内歩き !wait50 !se(Action)ドア開け !wait30 !bgm !se(Action)ドア閉め @0 !wait20 @830 ……。 @730 ……。 !wait40 今は、そっとしておいてあげましょう……。 良くも悪くも、何かのきっかけに なってくれるはずです……。 !mvnil @0 !mv !wait80 !mv自宅 !wait40 !se(Action)学内歩き !wait45 !se(Action)学内歩き !wait60 @100 ……それで、話っていうのは? @410 ……\sシシト君。 !wait60 !bgm黄昏 @412 ……。 やっぱり……犬山さんを助けに行くの? @100 えっ……? @410 ……女神様、言ってたよね。 シシト君が行っても、犬山さんは 助からないかもしれない……。 そればかりか、シシト君まで いなくなっちゃうかもしれないって……。 @100 うん、分かってるよ。 助かる可能性はすごく低い…… \sでも、ゼロじゃないから、僕は行く。 行かなくちゃ、いけないんだ……。 @412 ……\sそれってさ。 犬山さんのこと……\s好きだから? @102 ……へっ? なんで、そんな話に……。 @410 ちゃんと答えて。 @100 ……。 !wait60 どういう好きかは分からないけど……。 少なくとも……嫌いではないよ。 セトは、大切な友達の一人だから……。 @410 ……。 @100 目の前で友達が困ってるのに、 助けない理由はないよ。 もし、冬村さんやリョウヘイが 同じ状況になってても……僕、きっと 助けに行ってるんだと思う。 リュウゾウに捕まった時だって、 そうだったでしょ? @410 ……。 友達だから、か……。 確かに、シシト君らしい答えだね……。 @100 ……だけど。 @410 ……? !wait20 @100 ……\s最近、思うんだ。 僕……ホントに、誰かを 助けてあげられるのかなって……。 @412 えっ……? @100 誰かを助けたいって思ってるのは 間違いないよ。 でも、いくら強く思ったって…… \s助けられなくちゃ、意味無いんだ……。 あの時、冬村さんが助かったのだって、 ジェイクさんやリセットの力が あったからだし……。 @412 そ、そんな事ないよっ! 私が助かったのは、シシト君が そこにいてくれたから……。 @100 そう、僕はその場にいただけ……。 冬村さんが怪我した時も、 ジェイクさんが消えていく時も、 何もできず、黙って見てるだけだった。 誰も助けてなんかいない…… \s4年前から、何も変わってないんだ……。 @410 ……\s姉さんのこと? @100 ……。 !wait40 あの時、僕はサエちゃんを \r[庇,かば]って撃たれた……。 でも、結局は無駄に終わった……。 僕は……無力だったんだ……。 ……今もね。 @410 ……。 !wait40 それでも……行くの? @100 ……\sうん。 ジェイクさんにもお願いされたんだ、 セトを頼むって……。 助けに行く理由が必要なら、 それで十分さ……。 @410 ……\sおかしいよ。 @102 えっ……? !wait20 @410 ……。 シシト君のやってること…… 確かに、とってもステキだと思う。 自分を犠牲にしてまで 誰かを助けようとするなんて、 そうできる事じゃないよ。 !wait40 @412 ……\sでも。 シシト君、誰かを助けられてるって ちっとも思ってない……。 半分くらい諦めてるような気持ちで、 なんで、まだ助けようとするの? おかしすぎるよ、そんなの……。 @100 ……\sそうかもね。 だけど……やっぱり やめるワケにはいかない。 これが人を助ける"真似事"だとしても、 僕には、それを続ける責任がある。 助けることをやめちゃったら…… \sもう、サエちゃんに顔向けできないよ……。 @410 ……。 !wait60 分かった……。 私、もう何も言わないよ……。 @100 ……\sごめん。 @410 ダメ。 @100 えっ……? @412 ……。 !wait20 シシト君のやってること…… ホントにすごいことなんだから……。 もっと、自分に自信を持ってよ……。 私なんかに……謝らないで……。 @100 冬村さん……。 !wait60 @102 ……うーん。 謝るなって言われても……。 そしたら……なんて言えばいいの? @410 ……。 !wait20 じゃあ……代わりに約束して。 @100 約束? !wait20 @412 ……。 !wait40 犬山さんを……\s必ず助けてあげて……。 そして……\sシシト君も必ず帰ってきて……。 @100 ……。 @410 もちろん……犬山さんは 私にとっても大切な友達だよ。 でも、それはシシト君だって同じ……。 私だって、もう大切な人を 失いたくないの……。 だから……約束、守ってよね? @100 ……。 !wait60 分かった……。 約束するよ……。 !wait60 @1 トットット…… !wait30 @830 シシト、女神様の準備が整ったぞ。 @100 ありがとう、クロウ。 @830 ……やはり、行くのだな。 @100 当然だよ。 @102 たった数分くらいじゃ、気持ちは そう簡単に変わらないって。 @830 そうか……。 では、急いで上に行ってくれ。 女神様が待ってる……。 @100 うん、分かった。 じゃあ、冬村さん……僕、行くね。 @410 あっ、うん……。 !se(Action)学内歩き @1 スタスタ ……。 !wait40 @410 ……。 @830 ……話は、もういいのか? @410 ……はい。 シシト君、ちゃんと戻ってくるって 約束してくれましたから……。 残りは……後で聞きます。 @830 ……そうだな。 あれだけ固い決意をしてるんだ。 シシトなら、必ずなんとか してくれるだろう……。 @410 ……そうですね。 !wait30 @830 さて……では、我々も行くか。 見送りくらいはしておかんとな……。 @410 はい。 !wait40 !se(Action)学内歩き @0 !mvnil !wait40 !bgm !wait60 !mvシシトの部屋 !bgm(シューティング)準備画面 !wait30 @730 シシトさん、準備はよろしいですね? @130 はい、オッケーです。 !wait20 !se(Action)ドア開け @1 ガチャ @830 ……むっ。 @410 あれっ、シシト君……。 @130 あっ、二人とも……。 @412 また、コスプレしたんだ……。 @131 いや、コスプレじゃないから……。 @730 魔法は使えなくても、身体能力は 大幅に向上しますからね。 リセットと\r[遭遇,そうぐう]した時に、少しでも 生き残る可能性を高めるためです。 @830 なるほど……。 @131 ……ちなみに、女神様。 後で、変身について現場の声を 聞いてもらえませんか? @730 あら、感想をいただけるのですか? それは楽しみですね。 @131 ははっ……。 @730 ……\sもっとも。 それを私が聞けるかどうかは、 今後のシシトさんの結果次第です。 頑張ってくださいね……。 @130 ……\sはい。 @412 シシト君、気をつけて……。 @830 月並みだが……幸運を祈る。 精一杯やってこい。 @130 うん、ありがとう。 @730 ……では、シシトさん。 今から意識の転送を開始しますので、 セトさんの手を握ってください。 @130 分かりました。 @1 「すーすー」 @130 ……。 セト……。 !wait60 @1 ギュッ…… @134 ……。 @730 ……\sよろしいですね。 それでは……いきます。 @830 ……。 @410 ……。 @134 ……。 !wait60 @0 !mvnil !bgm !se(Action)シュイーン !mvシシトの部屋 !wait30 !se(Action)ドゴン @134 @410 ……っ! @412 シ……シシト君!? @730 心配いりません。 シシトさんの意識は、無事に セトさんの中へと送り込まれました。 彼が戻ってくれば、自然と 目覚めるでしょう……。 @410 シシト君……。 @830 ……。 !wait40 女神様……。 シシトは……できると思いますか? @730 ……\s私には、なんとも言えません。 唯一、分かっているのは…… その可能性が決してゼロではない ということだけ……。 全ては、彼の気持ち次第です……。 @410 シシト君が、どれだけ犬山さんを 助けたいか……ですか? @730 ……はい。 魔力の大きさだけで言えば、 リセットに敵う者は世界中探しても 見つからないでしょう……。 しかし、真に魔力を左右するのは 本人の意志の強さ……。 思いを形にする、その力こそが…… 魔力の持つ本質なのです……。 @410 思いを……形に……。 @730 意志の強さは、時として 自分以上の魔力にも負けない、 優れた力を発揮します。 もちろん……シシトさんだって 例外ではありません。 そうですよね、クロウ? @830 はい、この目でしかと目撃しました。 魔法を使えないシシトが、 北条の魔法を打ち破った瞬間を……。 @730 そう、シシトさんは禁呪使いの魔法に 打ち勝つことができた……。 彼には、それを可能とするだけの 強い意志があるのです。 !wait40 @731 ……\sしかし。 いくらシシトさんの意志が強く、 一般人より魔力の資質があっても、 相手はリセット……。 強大な魔力を前にしては…… どうにもならないかもしれません……。 @830 それでも、万が一だってありうる……。 だからこそ、無謀とも言える方法を シシトに教えたんですよね? @737 ……確かに、何が起こっても 不思議ではありません。 セトさんを助けたいと願う、彼の思い……。 その思いが本物なら、あるいは……。 @410 ……。 !mvnil @0 !mv !wait100 @1 「これが人を助ける"真似事"だとしても……  僕には、それを続ける責任がある……」 「助けることをやめちゃったら……  もう、サエちゃんに顔向けできないよ……」 ……\s違う。 真似事なんかじゃ……ないよ……。 シシト君は、それに気付いてないだけ……。 普段から、どっか冷めてる感じで、 捕まった時も全然変わらなかったのに……。 あんなに大きな声で怒鳴ったり、 頭を下げて必死にお願いするシシト君、 想像なんてできなかった……。 きっと……それが、ホントの気持ちなんだよ。 ちょっぴり、悔しい気もするけどね……。 !wait60 だから、シシト君……。 お願い……早く気付いて……。 ジェイクさんも……姉さんも…… \sたぶん、好きとか嫌いとかでもない……。 二人にしか分からない…… もっと……もっと、大きな理由……。 犬山さんを助けようとする…… \sその、ホントの理由に……。 !wait100 @0 !mv \>  \ \ \