#Silhouette Extra Tale 改訂版 第5章「悲しき再会」前編 !v29=3 !v35=1 !v36=1 !v38=1 !wait60 姉さんは、ずっと私の憧れだった……。 いつも勉強やお手伝いをサボって…… ずっと眠ってばかりだった、私の姉さん……。 ちょっぴり怠け者で怒りっぽいけど…… とっても優しい、私の姉さん……。 私……そんな姉さんのことが 本当に大好きだった……。 そう……大好き"だった"んだ……。 ……。 !wait60 でも……。 そんなの……\sもう、昔の話……。 ずっと憧れだった姉さんは…… 私にとって、最も嫌いな人になった……。 ……だって、そうでしょ? 姉さん……\s私を見殺しにしたんだから……。 !wait100 \f[22]Silhouette Extra Tale 第5章 \s\f[40]悲しき再会 \s\m[46]\f[32]-Meet Again- !se(System)キー3 !wait120 !v5=1 !mv中央公園 !bgmサスペンス !wait40 @400 ……。 @131 リ……リセット……? @833 セトの……本来の姿だと? @400 うん、そうだよ。 あの日、初めて魔法を使うまで…… 私、この子の中に閉じ込められてたの。 生まれた時から、ずっとね……。 @130 生まれた時から、ずっと……。 @833 一体……何がどうなっているんだ? !wait40 @1 「ホホホホホ……」 @830 ……っ! @130 ……北条。 !wait20 @570 ……\s素晴らしい。 まさか、覚醒の反動から生じた魔力で 『隔絶』を突き破ってしまうとは……。 さすがですわね、リセット…… \s待ち続けた甲斐がありましたわ。 @400 ……。 @833 し……知り合いなのか!? @133 どういう事なんだ、北条!? お前は、彼女の何を知っている!? @570 ホホホ、知っているも何も……。 彼女にとって……私は生みの親 みたいな存在ですからね。 @130 なっ……! @833 う……生みの親だと!? セトの両親は、写真に写っていた あの二人ではないのか!? @570 ええ、それは間違いないでしょう。 しかし……私の計画なくして 彼女が生まれてこなかったのも、 また、事実なのです……。 @833 ……? !wait20 @130 ……\sなんなんだ。 お前とリセット……そしてセトを \r[繋,つな]いでる、その計画って……。 @570 まあ、これだけの情報では何も 分からないでしょうね……。 !wait40 ……いいでしょう。 リセットも無事に目覚めたことですし…… \s特別に教えて差し上げますわ。 私の、長年にわたる計画の\r[全貌,ぜんぼう]を……。 @400 ……。 !wait40 @570 ……先程も触れましたよね? ここ数年来……私は暇を持て余して ずっと遊んでばかりだったと……。 今まで習得した魔法を\r[駆使,くし]し、何か 面白いことはできないものか……。 毎日、そんな事ばかり考えていました。 そうして、20年ほど前からですね…… \s意識の海に介入するようになったのは……。 @833 い、意識の海だと!? @130 意識の海? @830 あらゆる思念や魂が眠る場所…… 死んだ者たちの行き着く世界のことだ。 人であれ魔物であれ、全ての生命は やがて意識の海へと\r[還,かえ]り、長い時を経て 新たな生命となり現世に舞い戻る……。 決して変わらぬ世界の根底…… \s神々ですら侵すことの許されない、 とても神聖な場所だ……。 @130 ……少なくとも、生きた人間が 関わっちゃいけない場所ってことか。 @830 ああ、そうだ。 それなのに、キサマは……。 @570 だからこそ興味深いのですよ。 そもそも……意識の海への介入は マジカルパレスも行っているはずでは? @131 えっ、そうなの? @830 ……確かに、それも事実だ。 女神様が別の世界にいた頃は、 意識の海から勇者の魂を呼び寄せ 世界を救わせたこともあったと聞いている。 あくまで緊急時の解決手段で、普段は 滅多に使用しないそうだがな……。 @130 じゃあ、お前は何を……。 @570 最初は、ただの興味本位から 意識の海を調べて回る日々でした。 しかし、月日が経つにつれ…… そこに眠る存在そのものに興味が 移ってきましてね……。 力ある魂を従え、世界を変える…… \sやがて、そう考えるようになったのです。 かつて、あなたの神が別の世界で そうしたように、ね……。 @133 世界を変えるだって!? @833 な、なんと、愚かな……。 @570 おや、これでも打算的な考えですよ? なにしろ、私は意識の海の深層を 見てきたのですから……。 @831 し、深層だとぉぉぉ!? @130 ……? @833 あそこは、神や魔王といったクラスの 存在が眠る場所じゃないかっ!! 女神様さえ手を出さない危険な 場所なのに、キサマ……! @570 そうでもなければ、本気で世界を 変えようだなんて思いもしませんわ。 人間の英雄や、凶暴な魔物など…… 彼らに比べたら実につまらぬ存在です。 やはり、従えるならより強い者を 選ぶのが基本でしょう? @833 ぐっ、何を当然のように……! !wait20 @131 ……\sなんて奴だ。 そんな遊び半分の気持ちで、 世界全部を巻き込むようなことを 平然とやっちゃうなんて……。 !wait40 @570 ……。 意識の海を探りながら…… 私は様々な魂を見てきました。 伝承に出てくる、英雄や魔物…… \s神話で語られるような、神や悪魔……。 毎日、驚きと発見の連続で…… 気付けば、最初の介入からすでに 数年が経っていましたね。 そうして、従えるに相応しい存在を 探し続けていた、ある日……。 私は、偶然見つけた一つの魂に 目を付け……初めて直接的な接触を 試みることにしたのです。 !wait20 それが……\s全ての始まりでした……。 !bgm !mvnil @0 !mv !wait80 !bgmタイトル画面 @1 \c[4]「……」 \c[5]「そこのあなた……私の声が聞こえますか?」 \c[4]「……」 \c[4]「わた……し……?」 \c[5]「そう……あなたです……」 \c[5]「どうやら、言葉は通じるようですね……」 \c[4]「あなた……誰なの……?」 \c[5]「おっと、申し遅れました……」 \c[5]「私の名前は、北条レイコ……」 \c[5]「いずれ、世界の神となる者です……」 \c[4]「かみ……さま……」 \c[4]「……そんな人が、なんの用?」 \c[5]「あなたに興味がありましてね……」 \c[5]「少し、お話をしに来たんです……」 \c[4]「……」 \c[4]「無いよ……話す事なんて……」 \c[5]「ホホホ……そう\r[仰,おっしゃ]らずに……」 \c[5]「おしゃべり程度で構わないのです……」 \c[5]「ちょっと……話してみませんか?」 \c[4]「……」 !wait60 \c[4]「……いいよ」 \c[4]「他に、やることも無かったし……」 \c[5]「そう来なくては……」 \c[5]「では、何から話しましょうか……」 !wait60 神や魔王と呼ばれる存在が眠る、 意識の海の深層……。 明確な意思を持つ魂は数えるほどしか 存在しませんでしたが、その魔力は 底知れぬものがありました……。 そして、私が見つけたこの魂も…… やはり強大な魔力を身に宿していた……。 まあ、それ以上の魔力を持った存在も 少なくありませんでしたけどね……。 ですが……初めての接触を試みるのに、 迷いは少しもありませんでした……。 それには、ある理由があったのです……。 !wait60 \c[5]「……そういえば」 \c[5]「まだ、あなたの名前を聞いて  いませんでしたね……」 \c[4]「私の名前……?」 \c[5]「ええ、そうです」 \c[5]「どうか、教えていただけませんか?」 \c[4]「……」 !wait60 \c[4]「……リセット」 \c[4]「それが……私の名前……」 \c[5]「リセット……ですか……」 \c[5]「……いい名前ですね」 \c[4]「ホントに?」 \c[5]「私はウソなどつきませんよ……」 \c[5]「可愛らしい名前じゃないですか……」 \c[4]「……」 !wait40 \c[4]「初めてだな……」 \c[4]「名前、褒めてもらったの……」 !wait60 そう……それこそが、リセット……。 神や魔王といった存在が眠る この深層において……彼女の魂は 異彩を放っていました……。 例えるならば……\sそれは、迷子の子供……。 その身にそぐわぬ魔力を内に秘め、 意識の海をフラフラと漂っていたのです……。 私は、そんな彼女に興味が沸きましてね……。 直接会って話を聞いてみよう…… \sそう考え、彼女に接触を試みたのです。 もっとも……。 !wait60 \c[5]「言いたくない……ですか……」 \c[4]「……」 \c[5]「……ふむ」 \c[5]「どうやら、生前に何かあったようですね……」 \c[5]「個人的な理由からですか?」 \c[5]「それとも、もっと別の……」 \c[4]「……そんな話しないで」 \c[4]「私、何も思い出したくないの……」 \c[5]「……」 !wait40 \c[5]「そうですか……」 \c[5]「これは、失礼しました……」 !wait60 余程、イヤなことがあったのでしょう……。 リセットは、自分の過去について 何も話してくれませんでした……。 しかし、その言動や振る舞いから、 彼女がまだ精神的に幼いということは 容易に理解できたのです……。 恐るべき魔力を宿した、幼い少女…… \s子供は、素直で\r[御,ぎょ]しやすい……。 これほど都合の良い存在…… \s彼女以外には、まずありえない……。 魂に接触するのは初めてでしたが、 私は、そう直感しました……。 そこで……さっそくこんな話を 持ちかけたのです……。 !wait60 \c[5]「ところで、リセット……」 \c[5]「あなたには……望みがありますか?」 \c[4]「望み……?」 \c[5]「あなたは、まだ幼い……」 \c[5]「生きていれば、やりたかった事も  たくさんあるでしょう……」 \c[5]「そんな望み……何か、ありませんか?」 \c[4]「……」 !wait60 \c[4]「会いたい人がいる……」 \c[4]「その人……きっと、まだ生きてる……」 \c[5]「……なるほど」 \c[5]「でしたら……叶えて差し上げましょうか?」 \c[4]「……えっ?」 \c[5]「あなたが強く望むのであれば……  この永遠に続く闇の世界から抜け出し、  現世に戻る機会を授けましょう……」 \c[4]「私……ここから出られるの?」 \c[5]「ええ、そうです」 \c[5]「ただし……あなたが現世に戻った時、  私のお手伝いをしてもらうという  条件付きですけどね……」 \c[4]「あなたの……お手伝い?」 \c[5]「最初にも言いましたが……  私は、いずれ世界の神となる者……」 \c[5]「それを手早く実現するため……  力を貸していただきたいのです……」 \c[5]「あなたが持つ魔力は、ここに存在する  並の神々よりもずっと大きい……」 \c[5]「その力を使えば、世界を手にすることも、  あなたの会いたい人を\r[捜,さが]すことも、  同じくらい簡単でしょう……?」 \c[4]「……」 \c[5]「もちろん、無理にとは言いません……」 \c[5]「ですが……このような機会、  二度と訪れることもないでしょう……」 \c[5]「どうぞ、じっくり考えて……」 \c[4]「……いいよ」 \c[5]「……っ!」 \c[4]「ここから出られるんでしょ?」 \c[4]「だったら、それくらい手伝うよ」 \c[4]「こんなとこ……もう、いたくないから……」 \c[5]「……」 !wait60 \c[5]「ホホホホホ……」 \c[5]「そうですか……それは何より……」 \c[5]「これで、契約は交わされました……」 \c[5]「よろしくお願いします、リセット……」 \c[4]「……」 !wait80 @0 !mv中央公園 !mv\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx\wx !wait20 @570 ……こうして、下準備は整いました。 その後、私はリセットとの約束に従い、 彼女を現世に呼び戻したのです。 @130 魂を……現世に呼び戻す……。 @833 そんなの不可能だ! 魂の\r[輪廻,りんね]は自然に決まるもの…… 人間がどうこうできる物なんかじゃない。 可能だとすれば……女神様が そうしたように『生命の結晶』を用いて 一時的に命を与えるしか……。 @570 確かに、それが最も現実的な \r[蘇生,そせい]手段でしょうね……。 しかし、神クラスの魂に使えば…… 結晶がその力の大きさに耐え切れず、 すぐに砕け散るはずです。 @830 その通りだ、『生命の結晶』は あくまで人間などにしか効果がない。 それに、この世界にある結晶は全て マジカルパレスによって厳重に 管理されている……。 外に出回るなんて、まず考えられん。 @130 じゃあ、どうやって……。 @570 ホホホ……答えは実に単純です。 存在していたのですよ…… \sそれを可能にしてしまう魔法が……。 @133 ……っ!? @831 な、なんだってー!? !wait20 @570 ……\s禁呪、『転生』。 輪廻の理を歪めるとして、 はるか昔に封印されてしまった 禁呪中の禁呪……。 この魔法を使えば、魂は生前と 変わらぬ情報を持ったまま、現世に 舞い戻ることができるのです。 たとえ、それが神クラスの 力を持った存在だったとしても……。 @833 ……信じられん。 まさか……そんな魔法が……。 @570 先人の知恵というのは、本当に 末恐ろしいものですね……。 しかし、残念なことに…… \sこんな素晴らしい魔法ですが、 一つだけ致命的な欠点がありました。 @130 欠点だって? @570 生前の情報がそのまま残るのは、 魔法によってその情報を一度圧縮し、 魂の奥底に封印するからです。 こうして、魂は本来失ってしまう 力や記憶といった情報を損なわずに 現世へ戻ってくるのですが……。 圧縮された情報のほとんどは…… その後も、しばらく封印されたままの 状態になってしまうのです。 情報を引き出せない不完全な魂は、 生命として成り立てない……。 @830 つまり、『転生』で復活した魂は そのままの状態で生を授かることが できないというワケか? @570 ええ、そうです。 そこで、これを解消するため…… \s魂には不足した分を補う新たな情報が 自動的に付け加えられます。 そして、封印が解けるまでの間…… 仮初の情報を与えられた魂は全く別の 存在として生きていくのです。 自分があるべき本来の姿…… \sそれに、ずっと気付かないまま……。 !wait60 !bgm @130 ……\s待てよ。 じゃあ……\sまさか、セトは……。 !wait20 @570 ……\sそういう事です。 リセットの魂に付け加えられた、 本来あるはずのない、不要な情報……。 彼女が現世に戻る過程で生まれた、 もう一人の、仮初の存在……。 !wait40 そう……。 あなたが今まで見てきた\r[娘さん,犬山セト]は…… \s単なる……リセットの"影"だったのですよ。 !mvnil @404 @401 @403 @0 !mv !wait80 !mv中央公園 !bgmサスペンス !wait40 @400 ……。 @131 ……\sウソ、\sだろ? なんだよ……\sそれ……。 @570 ホホホ……やはり、相当 ショックが大きいようですね。 まあ、無理もありませんか…… \s大切なご友人が偽りの存在だったと 知ってしまっては……。 @833 お、おのれ……悪びれもせずに……! @570 まあ、いいじゃないですか…… 事実を教えて差し上げたのですし。 それに、何かと辛いのは お互い様ですよ? ここに行き着くまでの間、私も色々と 苦労を重ねてきましたから……。 @400 ……。 !wait30 @570 ……ホント、大変でしたよ。 『転生』で\r[消耗,しょうもう]した魔力の回復と、 現世に戻ったリセットを捜し出すのに 長い年月を\r[要,よう]しましたが……。 まさか、それ以上に…… 本来の力を取り戻すまでの時間が これほど必要になるとは……。 全く……出来の悪い"\r[偽者,ニセモノ]"でしたね。 @130 ……っ! @570 リセット自身、こうして本来の魔力を ずっと保ち続けていたのに……。 いつまでも偽者が出張っているせいで、 私や彼女は、無駄な時間を過ごす ハメになったのです……。 おまけに、覚醒してすぐ 『魔力の反動』まで引き起こし、 \r[挙句,あげく]、記憶喪失とは……。 よくもまあ……ここまで私の手を \r[煩,わずら]わせてくれたものです。 偽者は、偽者らしく…… \sとっとと消え去ってしまえば よかったんですよ。 @833 キ、キサマ、いい加減に……! !wait60 !bgm @1 「……おい」 @830 ……っ! @570 んっ……? !wait20 @131 ……。 @833 ……シシト? @570 ……\sどうしました? そんな反抗的な目をなさって、 何か、ご不満でも……? @131 もう一回言ってみろ……。 @570 ……。 !wait40 ホホホホホ……。 意味がよく分かりませんでしたか? では……もう一度、分かりやすく 言って差し上げましょう……。 !wait40 彼女は、リセットの影……\s偽者です。 そして、リセットが目覚めた今…… 邪魔だった偽者もついに用済みとなり、 この世から消えてなくなりました。 この意味……分かりますよね? !wait40 つまり……\s彼女は、死ん……。 !se(Action)跳ね @132 \f[40]ふざけるなぁぁぁーっ!! !mvnil !se(Action)ハンドガン !se(Action)バリア音 @0 !mv中央公園 @570 ……えっ? !wait15 !bgm別れ !se(Action)跳ね @132 \f[32]うわああぁぁぁーっ!! !wait5 !se(Action)ハンドガン !se(Shooting)撃破A @570 ごふっ!? @833 ……なっ!? !wait10 @831 シ、シシトが……\s『ホールド』を破った!? !wait20 @131 ……セトが、偽者だって? この世から、消えてなくなっただって? !wait30 !se(Action)跳ね @132 そんなバカな話あってたまるかーっ!! !se(Action)殴打 @570 がっ……! @134 セトは、僕の友達だ……。 とっても真面目で、友達思いな…… 普通の女の子だったんだ……。 なのに、こんな目に\r[遭,あ]わせて……! !wait30 @131 ……。 お前の自分勝手な目的のために……。 !wait30 !se(Action)跳ね @132 \f[34]人の人生を弄ぶなぁぁー!! @570 け……『結界』ッ!! !se(Action)シュビー !wait20 !se(Action)バリア音 !se(Shooting)撃破B !se(Shooting)撃破C ぶはぁっ!? !se(Action)ドゴン !wait12 !se(Action)ズシャアアー !wait20 @134 謝れよ……。 !wait30 @133 今すぐ、全部元に戻して…… \sセトに謝れっ!! 記憶も、\s生活も、\sジェイクさんも……! \s何から何まで、全部……!! \f[36]\wx\f[24]全部……\s\f[36]全部、返せぇぇー!! @570 うっ……がはっ……! @830 シシト……。 !wait20 @133 はあっ……\sはあっ……\sはあっ……! @570 ……。 @133 はあっ……\sはあっ……。 な、なんとか……\sはあっ…… \s言ったら、どうだ……? @570 ……。 !wait60 言い忘れていましたが……。 !bgm 私には……\sまだ、人質がいるんですよ? @130 ……っ!? !wait20 @570 ……\sこれをご覧なさい。 !wait10 !se(Action)ビシッ !wait25 !se(Action)シュイーン @410 !bgmサスペンス @831 なっ!? @132 ふっ……冬村さん!? どうして……! @570 おっと……もう動かないでください。 今は魔法で眠らせているだけですが、 これ以上、抵抗するでしたら……。 !wait15 !se(Action)シュイーン !wait12 !se(Action)シュイーン !wait12 !se(Action)シュイーン !wait12 @130 ……っ! @132 やっ、やめっ……! !se(Action)ジュゴー !wait10 @0 !mvnil !se(Action)爆発音 !se(Shooting)撃破B !mv中央公園 !wait40 @410 @570 ……\s次は、彼女がこうなりますよ? @132 ぐっ……! @833 な、なんて、卑怯な……!! @570 ホホホホホ……。 まさか、こんなところで彼女が 役に立つとは……。 人払いの最中に偶然見つけて 捕まえたのですが……今日の私には、 どうやら運が味方してるようです。 @131 こ、こいつ……。 セトやジェイクさんだけでなく、 冬村さんまで……。 @570 ……。 !wait30 !se(Action)学内歩き !wait40 !se(Action)学内歩き !wait40 @130 ……えっ? !wait20 !se(Action)ミス !wait15 !se(Shooting)撃破A @132 \f[32]ごはぁっ!? @831 シ、シシトーッ!! @570 先程のお返しですわ。 私の力では、大したダメージにも ならないでしょうけど……。 @132 げ、げほっ……ごほっ……!! !wait20 @570 ……\s全く、何故なんです? ただの人間や下級魔族が…… どうして、こうも私の魔法を軽々と 破ってしまうんでしょう? 偽物ごときに熱くなって…… \sホント、理解に苦しみますね……。 @133 だ……黙れっ!! セトは、偽物なんかじゃ……! @570 ホホホ……まだ、そう仰いますか? !wait40 ……分かりました。 ならば……こうして差し上げましょう。 @833 こ、今度は何を……!? !wait20 @570 ……リセット。 @400 ……? @570 ……\s最初のお仕事です。 !wait60 !bgm 彼の……\s息の根を止めなさい。 !wait30 !bgmなんだこれは @831 なっ!? @132 \f[32]なああああーっ!? @570 私がトドメを刺しても構わないのですが、 これ以上、無駄な魔力の消耗は 避けたいですからね……。 せっかくの機会です…… \sあなたの力、見せてくださいな……。 @400 ……。 !wait40 !se(Action)学内歩き !wait35 !se(Action)学内歩き !wait35 @132 セ、セト……目を覚ましてっ!! 僕だよっ!! \s村上シシトだよっ!! !se(Action)学内歩き @400 ……さっきも言ったでしょ? 私の名前は、リセット……。 あの子は……もう、ここにいないの。 @132 う……あっ……あぁぁ……! @570 ホホホ……いい気味ですね。 今まで必死に守ろうとした彼女の 手にかかって一生を終えるだなんて……。 ある意味……本望でしょう? @831 キ、キサマ……なんて事をっ!! @570 けど、選択の余地は残してありますわ。 大人しく死ぬのがイヤなら…… \s別に動いたって構わないのですよ? もちろん、その時は……。 @410 @132 ぐっ……! !wait20 @1 動けるワケない……。 今、僕がここで動いたら…… \s冬村さんは間違いなく殺される……。 誘拐事件の時と同じように…… 大人しく指示に従うしか道はない……。 ……\sだけど。 !wait40 !se(Action)学内歩き @400 @1 もし、僕が動かなかったとしても…… このままじゃ……結局、誰も助からない。 警察はここまでやって来れないし…… \sクロウは、魔法で動けない……。 そして、今はジェイクさんも……。 ……。 くっ……。 !wait40 !se(Action)跳ね @132 \f[40]くっそぉぉぉーっ!! 一体、どうすればいいんだよ!? これじゃ、また同じ結果に……! !wait20 !se(Action)学内歩き !wait5 !se @400 うるさい……。 !se../bgs/(環境)心拍 @130 ……っ! @400 ……静かにしててよ。 すぐ終わりにするから……。 @131 あっ……セ……。 !wait40 @1 ……次の言葉が出てこない。 見た目には、何も変わってないのに……。 その口調も、雰囲気も…… \s僕が知ってる女の子と全然違う……。 !wait60 ……そうなんだ。 この子……\s確かに、セトじゃないんだ……。 @131 ……。 !wait40 なんで……? なんで……\sこんな事に……。 @831 \f[40]シ、シシトォォォー!! @400 ……。 !wait60 !bgm !mvnil @1 そして……。 !wait80 !se(Action)学内歩き !wait40 !se(Action)学内歩き !wait60 @0 !mv中央公園 !wait30 @130 ……えっ? @833 なっ……? @570 ……\sおや? !wait30 @400 ……。 @1 僕の横を通り過ぎていく…… セトと同じ姿をした、その女の子……。 リセットは……\sそのまま北条のところまで 歩いて、そこで足を止めた……。 @570 ……。 !wait40 どうしたのです……リセット? 早く、彼にトドメを刺しなさい。 @400 ……。 !wait60 !se(Action)シュイーン !wait20 !se(Action)シュイーン !wait20 !se(Action)シュイーン !wait20 @570 ……えっ? @130 ……っ! @1 リセットの左手が、炎のように 赤く光り始める……。 そして……彼女は、その手を 北条に向かってまっすぐ突き出し……。 @570 ち……ちょっと……。 悪い冗談は……およしなさいな。 ほ、ほらっ……\s早く、その手を……! @400 ……。 !wait60 !mvnil @0 「……『火炎』」 !se(Action)シュビー !wait12 !se(Action)爆発音 !wait2 !se(Action)爆発音 !wait3 !se(Action)爆発音 !wait4 !se(Action)爆発音 !wait5 !se(Action)爆発音 !wait6 !se(Action)爆発音 !wait7 !se(Action)爆発音 !wait8 !se(Action)爆発音 !wait10 !se(Action)爆発音 !se(Shooting)撃破B @1 \c[2]\f[36]「ぎゃあああああぁぁぁー!!」 @0 !mv中央公園 !bgmサスペンス @133 なっ……! @831 なんだとっ!? @1 たった一言の、短い呪文……。 その瞬間、リセットの左手から 巨大な炎が広がって、北条の全身を 完全に包み込んだ……。 @570 \c[2]なっ……\s何故です!? \f[32]\wx\f[24]\c[2]何故……\s\f[32]何故、私をぉぉぉ!! @400 ……。 !wait40 私、言ったはずだよ…… \s何も思い出したくないって……。 なのに、あなたは私にとって 一番イヤなことを思い出させた……。 だから……消す……。 @570 \c[2]あ……\s\f[20]ぐぁ……。 \c[2]\f[16]あ……\s\f[12]あぁ……。 !wait60 !se(Action)ドゴン @260 !wait30 @830 ……。 !wait40 自ら呼び寄せた存在によって 命を奪われるとは……。 これが、力に溺れし者の末路か……。 !wait20 @130 ……。 イヤなことを……思い出させた。 たったそれだけの理由で…… 簡単に、人の命を……。 !wait30 @1 まるで子供のワガママだ……。 自分にとって気に入らないから…… \sもう見たくもないから……完全に消す……。 ……北条に同情する気はないけど。 それでも、リセットの行動は本当に 幼すぎるものだった……。 @400 ……。 !wait60 @1 激しく燃え上がる魔法の火…… \sその光景を、リセットはただ黙って 見つめ続けてる……。 そうして、やがて火は消え去り…… \s焼けた地面には、北条の黒い影が……。 !wait10 @400 ……\s『波動』。 !se(Action)シュイーン !wait12 !se(Shooting)撃破B !se(Action)爆発音 !wait5 @831 うおっ!? @132 なっ……! @1 直後に爆発、そして吹き飛ぶ地面……。 リセットは……地面に残った影まで 完全に消し去ってしまった……。 @131 (な、なんだよ……これ……) (『波動』って……リス君の魔法と、  威力が全然違うじゃん……) @1 しかも、"消す"という行為に対する このリセットの徹底ぶり……。 ただ、幼いだけじゃない…… \s彼女は……あまりにも危険だ……。 !wait60 @830 ……\sむっ? 手足が……動く……? そうか、北条が死んだからか……。 ……。 !se(Action)跳ね @833 って……こうしちゃおれん! シシト、大丈夫か!? @130 うん、僕は大丈夫。 結構ダメージは大きかったけど…… 『ホールド』中に、だいぶ回復したみたい。 @830 変身していれば、待機中に ダメージが自然と回復するからな。 @131 魔法少女も捨てたモンじゃないね……。 @833 だが、まだ安心もできんぞ。 さっきは北条を狙ってくれたから 助かったが……あの娘、これから何を やらかすか全く想像できん……。 狙われたら確実にアウトだ…… \sしばらく、刺激しないよう注意して……。 @134 ……クロウ。 @830 むっ? !wait40 @130 ……\s冬村さんを、お願い。 僕……あの子と話をしてくる。 @831 なっ!? @833 はっ……話を聞いていたのか!? シシト、あの娘は……! @134 ……分かってるよ。 あの子の名前は、リセット…… \s魔法を使う、危険な女の子だ……。 少なくとも、セトなんかじゃない……。 !wait40 @130 ……\sでも。 僕……まだ、納得もできない。 どうしても確かめたいんだ……。 @830 ……。 !wait60 分かった……。 くれぐれも、気をつけてな……。 @130 ……\sうん。 @1 タッタッタ…… ……。 !wait60 @400 ……。 !wait30 !se(Action)学内歩き !wait40 !se(Action)学内歩き !wait60 @130 ……\sリセット。 @400 ……。 @130 ……。 セトは……どうなったんだ? @400 ……。 @133 おいっ! 聞こえてるはずだろっ! 返事くらいしたらどうなんだ!? !se(Action)学内歩き !wait5 !se @400 ……うるさい。 @132 ビクッ! !wait20 @400 ……何度も言わせないでよ。 あの子……もういないんだって、 ずっと言ってるじゃない。 @133 そ、そんなの……急に言われても 信じられるワケないだろっ!! セトは、さっきまでここにいたんだ! だったら、まだ……! @400 ……『火炎』。 !se(Action)シュビー @130 ……っ! !se(Action)跳ね @132 \f[32]うわぁっ!? !se(Action)爆発音 !wait2 !se(Action)爆発音 !wait3 !se(Action)爆発音 !wait4 !se(Action)爆発音 !wait5 !se(Action)爆発音 !wait6 !se(Action)爆発音 !wait7 !se(Action)爆発音 !wait8 !se(Action)爆発音 @833 ……っ! @831 シ、シシトォォォー!! @132 はあっ……\sはあっ……\sはあっ……! @400 ……いい加減にしてよ。 私の邪魔するなら……\s消すよ? @833 シシト、もうよせっ! それ以上やったら、本当に……! @133 で、でも、セトは……! !wait30 @1 「……そんなに、あの子を助けたいの?」 @130 えっ……? !wait20 @400 ……。 !wait40 無理だよ……。 あなたがいくら頑張っても…… 絶対に誰も助けられっこないもん。 @131 なっ……! !wait10 @133 なっ、何を根拠にそんな……! @400 だって、そうじゃない。 あそこに寝てる人の傷が治ったのは、 私が『完治』を使ってあげたから。 今、みんなが消えずにいるのは、 私があの魔法使いを消しちゃったから。 あなた……その間、何やってた? !se../bgs/(環境)心拍 @131 ……っ! @400 そう、あなたは何もやってない…… \sただ黙って見てただけ……。 あの子の父さんだって…… あなたが何もできなかったから、 結局、消えちゃった……。 そんなあなたが、本当に 誰かを助けられると思うの? @132 そ、それは……! @400 ……\sとっくに気付いてるんでしょ? !wait40 あなたじゃ……\s誰も助けられない。 そんな力……\sあなたには無いの。 @132 ――――ッ!! !mvnil @1 \c[4]「僕には、誰も助けられない……  サエちゃんだって、そう思ってる……」 \c[4]「そんな人間、生きてる意味なんて……」 !wait20 @0 !mv中央公園 !wait20 @132 あっ……\sあぁ……! 僕は……\s僕はぁぁ……!! @833 シシト、 落ち着けっ!! @400 ……分かった? 無理なものは無理なんだから、 もう、私の邪魔しないで。 @132 くそっ……くっそぉぉぉ!! @400 ……。 !wait40 大人しくしててよね……。 そうすれば、消さないですむから……。 @131 ……えっ? !wait20 @400 ……\sじゃあ。 私、もう行くね……。 !wait20 !se(Action)学内歩き @130 ……っ! ど、どこへ……。 @400 ……人捜し。 もう、アイツのお手伝いをする 必要もなくなったから……。 @130 ……。 会って……どうする気なんだ? @400 そんなの、私の勝手でしょ? あなたには関係ないじゃない。 !se(Action)跳ね @133 と、とにかく、待って……! !wait10 !se(Action)ミス @400 @131 ……っ! @833 シ、シシトッ!! @400 ……邪魔しないでって言ってるのに。 もう、やめてよ……。 !wait15 !se(Action)シュイーン !wait15 !se(Action)シュイーン !wait15 !se(Action)シュイーン !wait15 @132 あっ、ちょ……! !wait60 !bgm !mvnil @0 \f[20]「お待ちなさい……」 !wait10 !se(Action)ジュゴー !v5=0 !mv中央公園 !wait5 @400 ……っ! @130 えっ……。 @833 なっ……! @1 突然、どこからともなく聞こえてきた、 女の人の声……。 その瞬間、辺りがぱっと明るくなって…… \s『隔絶』に開いた穴から、真っ白な光を放つ 一本の柱が降りてきた……。 @133 なっ……なんだ!? @833 こ、この声……まさかっ!? !wait40 @0 !mvnil !se(Action)シュイーン !v5=1 !mv中央公園 @1 そして、光はすぐに消えてなくなり…… \s入れ違いで現れた、白い人影……。 それは……。 !wait60 !bgm神秘 @730 ……。 @130 ……あっ。 @1 それは……15歳くらいの女の子だった。 @130 ……\s人? !wait20 @1 いや、少なくとも人間じゃない……。 白いワンピースに、銀色の長い髪…… \s額からは角が生えてて、耳は獣みたい……。 あの子は、一体……。 @831 め……女神様ぁぁぁ!? @131 ……へっ? @1 めがみ、さま……? ……\sって。 !wait30 @132 \f[32]えええええーっ!? めっ、女神様って…… \sマジカルパレスの女神様!? 女神様……サイじゃなかったの!? !se(Action)跳ね @831 くおらあああぁぁぁー!! なんて事を言い出すんだっ!? この大バカモノがっ!! 確かに荒っぽい部分もあるが、 断じてサイなどでは……! @737 ……誰が荒っぽいんですか? !se(Action)ビシッ @831 ギクッ!? !wait20 @833 も、申し訳ありません……。 女神様がお越しになるとは思わず、 少し混乱していました……。 @131 (思いっきり本音だと思うんだけどなー) @730 ……\sまあ、いいでしょう。 今は……それどころでは ありませんからね。 @833 はっ……そうでした! ……。 @830 ……女神様。 実は、犬山セトという少女は……。 @730 ええ、分かってますよ。 @833 ……へっ? @130 わ、分かってる……? @730 ……はい。 今回の騒動……\s全ては、 彼女と彼女の魔力を巡るもの だったのですね……。 @133 なっ……! @833 ど、どうして知ってるんですか!? これは、北条という禁呪使いが 密かに進めていた計画だったのに……。 @730 なるほど、禁呪使いですか……。 それなら、こんな事が起こっても 不思議ではありませんね……。 @131 ……あれっ? 女神様……北条の計画に気付いて ここままでやって来たんじゃ……。 @730 残念ながら、その計画については 少しも知りませんでした……。 ……。 @737 ……なにしろ。 私は、ただ犬山セトさんという 人物に関する資料を……。 正確には、そこに写っていた 彼女の写真を見ただけですから……。 @833 なっ……何故、それだけで!? @737 ……。 !wait60 @731 ……\s同じだったんですよ。 写真に写っていた彼女は…… \sあの子と、全く同じ顔だったんです。 @830 えっ……? @130 ……あの子? !wait20 @737 ……背格好こそ違いましたが、 他人の空似とは思えませんでした。 魔法を使った、謎の少女…… \sずっと続いていた胸騒ぎの真相…… \s彼女ならば、それら全ての意味が通る……。 そう思った瞬間、私は…… もう、マジカルパレスを飛び出して ここに向かっていたのです。 !wait40 @731 ……\sそして。 この予感、やはり間違いじゃなかった……。 @833 ……? @130 ……。 !wait20 それって……どういう……。 !wait60 !bgm !wait20 @730 ……。 !wait60 まさか……こんな形で あなたと再会するなんて……。 久しぶりですね、リセット……。 @400 ……。 !wait60 うん……久しぶり……。 また、会えたね……。 !wait60 !mvnil @1 !mv !wait20 「……姉さん」 !wait80 @0 \> \